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陳情01-31 谷中の「歴史を生かしたまちづくり」の推進を求めることについての陳情

受理年月日 令和元年8月29日 受理番号 陳情01-31
委員会付託日 令和元年9月10日 付託委員会 交通対策・地区整備特別委員会
委員会審査日 令和元年9月26日
議決年月日 議決結果 ※審査中
陳情01-31
  谷中の「歴史を生かしたまちづくり」の推進を求めることについての陳情

陳情元−31(写)
    
主旨
 谷中の歴史ある暮らしとまち並みを末長く引き継いでいくため、地区計画を含む都市計画の内容が、谷中の文化資源・生活環境・まち並みの保全と整合性のとれるものとし、都市計画の変更はそれが実現できてから行って下さい。
 そのための根拠となる文化庁補助の「伝統的建造物群保存地区対策調査」および必要な関連事業制度等の導入調査を早急に行い、文化資源・まち並みの保全と安全性の向上を同時に目指すまちづくりを行って下さい。
理由
 台東区谷中は、変化の激しい首都東京の中にあって、関東大震災や空襲の被害が少なく、江戸東京の歴史文化が今に蓄積する、東京でも現存最大の寺町です。
 西方に富士山、東北方に筑波山を望み、南に江戸湾を見下ろす谷中上野台地の尾根筋には、先史時代から人々が住み、鎌倉時代初期に鎮守諏方神社が鎮座し、古くから景勝の地でした。中世には谷中に感応寺(現天王寺)、江戸時代には上野の山に東叡山寛永寺が建立されました。江戸城下町では大火のたびに神田などの寺院が現在の谷中上野界隈に移され、江戸中期頃までにほぼ現在の約百ヶ寺が集積し、門前には関連の石屋・大工・屋根屋・畳屋などの職人のまち並みが立ち並びました。谷中界隈の、関東大震災や第二次大戦時の東京大空襲による焼失を免れた地区では、江戸時代からの寺院と明治大正昭和の家々が残り、戦後の経済成長期も、関東大震災後の都市計画道路の建築制限のおかげで無秩序な開発が進まず、代々続く寺院や住民の手により、空の広い、歴史ある家並みと、江戸東京人の心のつながり、伝統的な生活文化が引き継がれています。今や谷中は「東京の奇跡」とも呼ばれ、東京の歴史文化や人とのふれあいを求めて、最近は世界各地からの観光客が散策する国際的な地区ともなっています。地域の寺院や住人は、この環境を子孫の代にも、谷中に訪れ、住みはじめる方にも、墓地を持つ方にもふるさととして引き継いでいきたいと願っています。
 しかし、東日本大震災以来、東京も直下型地震等の対策が急務となり、谷中では台地下の旧藍染川沿いを中心とする谷中二・三丁目が建物倒壊危険度や火災危険度が高いとされていますが、周囲と比べて安全な台地上の谷中五丁目の寺町も含んで木造密集市街地・新防火地区・不燃化特区の設定がされました。東京都と台東区では平成15年度時点では、谷中の伝統的建物やまち並みや緑、生活文化資源の価値の高さにかんがみ、長期未着手の都市計画道路廃止に当たっては、これらを文化遺産として保全できる「伝統的建造物群保存地区」等の都市計画を導入する方針でした。しかし残念ながら、その伝統的建造物群の保存対策調査が台東区でなされないままに、いま都と区は木密地域として道路状空間拡幅と不燃化建替促進を優先する地区計画を、東京都の都市計画道路廃止と同時に、今年度末にも都市計画決定する予定と伺っています。
 谷中は人気の谷根千地域の一面にあって、近年は地価が高騰しており、このままでは住民の住み継ぎが難しく、外部資本による投機的地上げと無秩序なマンション等建設が一挙に進み、谷中の風情と住み継がれる環境が都と区の都市計画変更で破壊的に失われる恐れが高まっています。
 むしろ、都市計画道路の廃止と地区計画を推進する前に、金沢市寺町重要伝統的建造物群保存地区のように、国家的価値ある文化財として谷中寺町一帯を保護して修理や耐震補強、税制支援等を進め、同時に、国交省の歴史まちづくり法等の支援を受け、東京直下型地震等での延焼防止に不可欠な消化用水利の充実、貯水槽増設や無電柱化等の、住民が使えて役立つ防災事業の推進が必要と考えます。
 谷中の寺院、下谷仏教会では、台東区が谷中寺町保全の防災計画上で必要とあれば、敷地内に貯水槽設置や無電柱化等の用地提供、避難所運営等にも協力する意向です。高台のほとんどを占める谷中の寺院群の敷地と建物全体が東京の文化と防災の拠点となり得ます。
 台東区におかれましては、現在の谷中のまち並みや文化を壊すおそれのある現行の地区計画素案の都市計画決定を急ぐのではなく、東京都心部の貴重な歴史文化地区を守り、谷中の暮らしとまち並みを今後の世代にも引き継いでいけるよう、文化庁補助の「伝統的建造物群保存地区対策調査」ならびに必要な関連事業制度導入調査に基づいて、これと整合する地区計画案の再検討を行い、地域住民・寺院・地権者や台東区・谷中を支える人々の同意を広く得た上で、都市計画の変更に至るよう、切に要望申し上げます。
  令和元年8月29日
台東区議会議長
    石 塚   猛 殿