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陳情22-37 B型肝炎訴訟の早期全面解決を求める意見書の提出を求める陳情

受理年月日 平成22年11月26日 受理番号 陳情22-37
委員会付託日 平成23年2月4日 付託委員会 保健福祉委員会
委員会審査日 平成23年2月22日
議決年月日 議決結果 審議未了
陳情22-37
  B型肝炎訴訟の早期全面解決を求める意見書の提出を求める陳情

陳情22−37(写)

B型肝炎訴訟の早期全面解決を求める意見書の提出を求める陳情

陳情の趣旨

 貴議会において、B型肝炎問題の早期全面解決について、衆参両議院並びに政府(内閣総理大臣・厚生労働大臣・法務大臣)に対し、以下の事項を内容とする意見書を提出していただくよう陳情します。
                   記

 日本では、法律により全ての国民・住民に集団予防接種が実施されていたが、その際の注射器の使い回しによって、数多くのB型肝炎ウイルス感染被害者を生んでいる。
 この問題については、平成18年6月に、最高裁判所が国に法的責任があることを明白に認め、平成21年12月に成立した肝炎対策基本法においては、国自身が、集団予防接種により肝炎ウイルス感染被害者を生んだことの責任を認めている。
 このような状況の中、集団予防接種によるB型肝炎ウイルス感染被害者の救済を求める訴訟が、全国10地方裁判所で係争中である。現在、国は裁判所の勧告に従って和解協議に応じるとしながら、増税論を突如公表したり、最高裁判所で法的因果関係が確定している集団予防接種とB型肝炎被害との因果関係を軽視するなどして、不誠実な対応をとり続け、全面解決を引き延ばしている。提訴後解決を待たずに亡くなった原告はすでに11名を超え、解決まで一刻の猶予も許されない。
 B型肝炎は慢性肝炎から肝硬変、肝がんに進行し、あるいは慢性肝炎を経ずして突然肝がんを発症することもある極めて深刻な病気である。原告のみならず、多くのB型肝炎患者は、今後の症状悪化に対する不安や、多額の治療費の自己負担額、そしていわれなき差別・偏見に苦しみながら日々生活している。
 よって、国におかれては、B型肝炎訴訟の速やかな解決を図るとともにB型肝炎対策を一層推進するため、下記事項に取り組まれるよう強く要望する。

 1 集団予防接種による注射器の使い回しによって被害を受けた被害者が原告となったB型肝炎訴訟において、速やかに被害者に謝罪し、被害者全員を救済すること。
 2 肝炎患者にとって経済的負担の心配のない医療費助成制度の整備をすすめること。
 3 肝炎患者に対する差別・偏見をなくすための正しい知識の啓発活動をすすめること。

陳情の理由
1 我が国には、ウイルス性肝炎患者・キャリアは300万人を超え、この内B型肝炎患者がおよそ120万から140万人もいるといわれています。ウイルス性肝炎はまさに国民病であり、本自治体内でも多くの患者とその家族が苦しんでいます。しかも、その感染原因大半が、全国民・住民が幼少時に法律によって強制的にうけさせられた集団予防接種における注射器の針・筒の不交換、あるいは輸血、血液製剤の投与などの医療行為による感染、すなわち医原性によるものと言われています。

2 このうち、集団予防接種によるB型肝炎被害者が、国を被告として損害賠償を求めた訴訟の最高裁判決が平成18年6月16日に言い渡され、この判決で国の法的責任が確定しました。さらに、平成21年12月に成立した肝炎対策基本法においても、その旨が明文で述べられ、国自身の責任はより一層明確になっています。しかしながら、国は迅速に被害者全員を救済するための施策を採ることを怠り、被害者を放置しました。
 そこで、集団予防接種によるB型肝炎ウイルス感染被害者全員の救済を求めた訴訟が、全国10地方裁判所で提起されました。そして本年3月になって、札幌・福岡両地裁が相次いで和解勧告を行い、本年4月には、大阪地裁も和解による解決を促し、国は和解協議を始めることには応じました。しかしながら、国は増税論を突如公表したり、最高裁判所で法的因果関係が確定している集団予防接種とB型肝炎被害との因果関係を軽視するなどして、不誠実な対応をとり続け、全面解決を引き延ばしています。提訴後解決を待たずに亡くなった原告はすでに11名を超えており、解決まで一刻の猶予も許されません。

3 B型肝炎は、慢性肝炎から肝硬変、肝がんに進行し、あるいは慢性肝炎を経ずして突然肝がんを発症するという極めて深刻な病気です。原告のみならず、多くの肝炎患者は、今後の症状の悪化、治療費の自己負担で将来の大きな不安を感じながら日々生活しています。また、肝炎患者に対するいわれなき差別・偏見にも苦しんでいます。

4 このような事態に鑑みれば、政府は、B型肝炎訴訟において、早急に和解協議の中で被害者全員を救済する和解案を提示し、早期全面解決を実現すべきです。このことが国民の総意であることは、各地の地方議会で既に意見書が採択されていること、及び、全国5大紙を含む多くの新聞社が早期解決を求める社説を発表していることからも明らかです。そして、原告らのみならず、肝炎患者が今後安心して治療を受けることができるように、医療費助成制度の一層の整備と、肝炎患者に対する差別・偏見をなくすために正しい知識の啓発活動をすすめることが、国には強く求められています。

5 以上より、貴議会において、地方自治法第99条の規定により衆参両議院並びに政府(内閣総理大臣・厚生労働大臣・法務大臣)に対し意見書を提出していただくよう陳情します。
                                    以上


  平成22年11月24日

 台東区議会議長
       鈴 木   茂 殿