受理年月日 | 令和5年1月24日 | 受理番号 | 陳情05-2 |
---|---|---|---|
委員会付託日 | 令和5年2月16日 | 付託委員会 | 企画総務委員会 |
委員会審査日 | 令和5年3月3日 | ||
議決年月日 | 議決結果 | 審議未了 | |
陳情05-2 日本全体で解決すべき問題として、普天間基地周辺の子どもたちを取り巻く空・水・土の安全の保障を求める意見書の提出を求めることについての陳情 陳情5−2(写) 日本全体で解決すべき問題として、普天間基地周辺の子どもたちを取り巻く空・水・土の安全の保障を求める意見書の提出を求めることについての陳情 (陳情の要旨) @学校上空(普天間小、普天間第二小、緑ヶ丘保育園)の飛行禁止 A日本政府の責任において、沖縄県及び宜野湾市とともに、普天間第二小学校内の土壌調査の実施及びPFAS汚染特定箇所の土壌の入れ替えを行うこと B普天間の子どもたちを取り巻く空・土・水の安全を保障すること 以上の旨の意見書を、地方自治法第99条の規定により、国及び衆議院・参議院に提出していただくようお願いいたします。 (陳情の趣旨) 1.学校上空(普天間小、普天間第二小、緑ヶ丘保育園)の飛行禁止 2017年12月7日、緑ヶ丘保育園ではCH53E米軍ヘリのプラスチック部品落下事故が起きました。沖縄県警はこの部品について、「米軍ヘリからの落下物とは特定できなかったが、その可能性を否定するものでもない」と発表しています(2020年12月)。落下物が見つかったのは、子どもたちが遊ぶ園庭からわずか50センチのところでした。直径8センチ、長さ10センチ、重さ213グラムの部品が子どもたちに当たっていたらと思うと、とても恐ろしいです。 同年12月13日には、普天間第二小の運動場にCH53E米軍ヘリから重さ約7.7キロの窓枠が落下する事故がありました。このとき、落下の衝撃によってはねた小石が体育の授業中だった児童一人にあたり、軽傷を負わせました。これ以後、普天間第二小の生徒たちは米軍機が接近するたびに避難をし、思う存分遊んだり、学んだりすることが難しくなりました。 また、2021年11月23日には、訓練中の米軍機から水筒が落下し、宜野湾市野嵩の住宅街にある民家の玄関先で見つかりました。これらの事故は、宜野湾市で生活する市民の生命を脅かすものです。 日米両政府は普天間飛行場周辺で学校や病院などの上空飛行を避ける場周経路の設定で合意しています。しかし実際には、場周経路を外れた飛行は常態化しています。これについて、沖縄防衛局は気象条件などのために米軍機が場周経路外を飛ぶこともあると説明しています。しかし、保育園や小学校への送迎時には、毎日と言っていいほどCH53Eやオスプレイが上空を飛ぶ姿を目撃します。落下物だけではなく、低空飛行や騒音も子どもたちの生活を脅かしています。 緑ヶ丘保育園の子どもたちは、お昼寝の時間を妨げられたり、おやつを食べながら耳を塞いだりということが日常になっています。普天間第二小の校庭には、危険を避けるための「避難小屋」が設けられました。しかし、子どもを守るということは、米軍機の危険を子どもたち自身が避けて避難するというような現実自体を変えることなのではないでしょうか。普天間飛行場の近隣にある普天間小・普天間第二小・緑ヶ丘保育園の子どもたちはずっと我慢を重ねてきました。場周経路外にある普天間小・普天間第二小・緑ヶ丘保育園上空の米軍機飛行禁止を要請します。 2.日本政府、沖縄県、宜野湾市の責任において、普天間第二小学校内の土壌調査の実施及びPFAS汚染特定箇所の土壌の入れ替えを行うこと 沖縄の米軍基地周辺では、かねてからPFAS(有機フッ素化合物)による水の汚染が問題となってきました。2022年8月の土壌調査によって、普天間第二小の敷地の一部から米国基準の29倍に達する有機フッ素化合物PFASが検出されました。調査では3つの地点で土壌が採取されましたが、このうち学校裏にある排水溝近くからは1キログラムあたり1700ナノグラム、運動場のバックネット裏付近からは1000ナノグラムの濃度のPFASが検出されています。 PFASの健康被害についてはまだわかっていないことが多く、日本では土壌の基準値の設定すらされていません。このような状況のなか、小学校の敷地から高い数値でPFASが検出されたことを私たち保護者は大変不安に感じています。 2022年8月に行われた土壌調査は市民グループによるもので、土壌採取は3つの地点のみに留まっています。日本政府、沖縄県、宜野湾市の責任において、普天間第二小の敷地全域の土壌調査を行い、汚染が特定された箇所については土壌を入れ替えるよう要請します。 3.普天間の子どもたちを取り巻く空・土・水の安全を保障すること 2017年の落下物事故の後、当時の緑ヶ丘保育園の保護者・保育者は「チーム緑ヶ丘1207」を結成し、12万筆の署名を集め、内閣府・防衛省・外務省に対し、事故の原因究明と原因究明までの飛行禁止、園上空の飛行禁止を要請しました。その後も、沖縄県、宜野湾市、沖縄防衛局、外務省沖縄事務所などを繰り返し訪れ、子どもたちがさらされている危険を訴えてきました。しかし、事故から5年が経つ現在も、子どもの命が守られるための改善が行われているとは言いがたい現状があります。 普天間飛行場では、騒音が大きな外来機の固定翼機の飛来が増えています。2017年度には外来の固定翼機の発着が236回であったのに対し、2018年度には1520回、2019年度には2678回でした。負担は増大するばかりです。また、コロナ禍以降、窓を開けての換気が必要な状況で、子どもたちはすさまじい騒音にさらされています。 空の安全を守るための活動を続けていこうとしていたところ、2022年には子どもたちの通う小学校の土壌がPFASで汚染されていることが明らかになりました。私たち保護者は、従来から訴えてきた空の安全が守られないだけではなく、水や土の安全も脅かされている現在の状況を許容することはできません。 普天間の子どもたちが置かれている状況は、日本国憲法が保障する法の下の平等及び差別の禁止に反するものです。しかし、宜野湾市、沖縄県という自治体からの声だけでは状況を動かすことができません。 憲法前文が保障する平和的生存権に基づき、普天間の子どもたちを取り巻く空・水・土の安全を保障することを目指し、貴議会においてその旨の意見書を、地方自治法第99条の規定により、国及び衆議院・参議院に提出してください。 普天間の子どもたちが、日本の他の地域の子どもと同じように安全・安心に暮らせる環境を実現していくため、これら日本全体で解決すべき問題として捉え、ともに声を上げていただきたいと思います。貴議会にて審議・採択していただきますよう、心よりお願い申し上げます。 令和5年1月24日 台東区議会議長 水 島 道 徳 殿 |