受理年月日 | 令和3年2月2日 | 受理番号 | 陳情03-12 |
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委員会付託日 | 令和3年2月12日 | 付託委員会 | 企画総務委員会 |
委員会審査日 | 令和3年3月5日 | ||
議決年月日 | 令和3年3月26日 | 議決結果 | 不採択 賛成多数 |
陳情03-12 旧坂本小学校など区内の復興遺産校舎の文化的価値及び防災上の価値の再認識と、跡地利用の検討過程においてその価値の十分な尊重を求めることについての陳情 陳情3−12(写) 旧坂本小学校など区内の復興遺産校舎の文化的価値及び防災上の価値の再認識と、跡地利用の検討過程においてその価値の十分な尊重を求めることについての陳情 主旨 旧坂本小学校などの、区内に残る関東大震災復興遺産たる復興小学校校舎について、その文化的価値及び防災上の価値を改めて再認識し、その跡地利用の議論においては、それらの価値を十分に尊重する検討過程上の扱いと、検討過程の一般公開を強く要望します。 理由 本件陳情者は、去る平成24年に「台東区内に残る関東大震災復興遺産である復興小学校校舎の保全についての陳情」(陳情24−8)を区議会に提出し、同年の第1回定例会本会議において、全員賛成による趣旨採択をいただきました。そこでは、現存建物の保全への努力や、経済的効果を得るような積極的な利活用、文化的価値の積極的なアピールの検討が要望されており、これが認められたものと認識しております。 しかしながら、以降の区における旧坂本小学校などの跡地利用の議論においては、こうした趣旨とは必ずしも相入れないような経過が見られるようにも感じられます。区が行った跡地利用についてのプロポーザルの内容を見ても、解体に関わる検討は密に行いながらも、利活用については積極的な検討が行われていないという印象を強く受けるものです。また、「台東区震災復興小学校の校舎及び用地の有効活用に関する検討委員会」の委員会内でも、文化的価値についての議論が積極的に行われていましたが、これが必ずしも検討の経過に反映されているかとなると、疑問を感ずる面が多々あります。 復興小学校校舎の文化的価値についての精密な検討を行うのであれば、例えば、跡地利用の件を台東区文化財保護審議会に案件としてかける、日本建築学会への問い合わせをする、復興小学校についての専門的研究を行っている有識者グループへの意見聴取をするなど、当然に行うべきことは数多くあるかと思います。しかしながら、こうした検討が十分に行われているようには思われません。 詳しくは先の陳情24−8を参照して頂ければと思いますが、改めてここで復興小学校校舎の価値について簡単に述べますと、高い理想に基づく優れたデザインの歴史的遺構であること、地域のシンボルであり景観上のランドマークであること、地域の重要な防災拠点となることなどが挙げられます。近年では学会においてさらに研究が進み、民主的な教育思想をいち早く体現したという教育学史上の価値が認められたり、大災害時における復興校舎を活用した有効な防災対応の詳細なシミュレーションが発表されたりしています。 東京に大震災が起きる可能性は、今後30年で70%とも言われております。また、再来年の2023年は関東大震災から100年にあたります。震災に対する深い反省から生まれた復興小学校校舎は、現代の視点においても、災害時の対応においてたいへん優れた機能を持った、学ぶところの多い建物です。文化的価値のみならず、現実的な防災機能にもたいへん優れています。場合によっては、近年設計された防災施設よりも機能的に優っている面さえあります。 こうした防災機能の評価に関しても、区内の検討過程においては、必ずしも正確に行われていると感じられないところです。耐震性能の評価や耐震化工事の方法についても、様々に議論があるはずのところ、ごく少数の見解のみが前提であるかのように語られている感があります。 以下のような状況をふまえ、区内に残る復興小学校校舎について、その文化的価値及び防災上の価値を改めて再認識すること、そしてその跡地利用の議論においては、それらの価値を十分に尊重する検討過程上の扱いを行い、検討過程についても広く一般公開して理解を求めることを強く要望します。 (以上) 令和3年2月2日 台東区議会議長 石 塚 猛 殿 |