東京都台東区旅館業法施行条例
第11号議案
平成24年2月6日
付託日:平成24年2月6日
議決日:平成24年3月21日
議決結果:原案可決(全員賛成)
第11号議案
東京都台東区旅館業法施行条例
上記の議案を提出する。
平成24年2月6日
提出者 東京都台東区長 吉 住 弘
(提案理由)
この案は、旅館業法(昭和23年法律第138号)の施行に関し必要な事項を定めるため提出します。
東京都台東区旅館業法施行条例
(趣旨)
第1条 この条例は、旅館業法(昭和23年法律第138号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めるものとする。
(社会教育施設等)
第2条 法第3条第3項第3号に規定する条例で定める施設は、次のとおりとする。
(1) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第134条第1項に規定する各種学校で、その教育課程が同法第1条に規定する学校(大学を除く。)の教育課程に相当するもの
(2) 図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館
(3) 前2号に掲げる施設のほか、博物館、公民館、公園、スポーツ施設その他これらに類する施設のうち、主として児童の利用に供されるもの又は多数の児童の利用に供されるもので、特に東京都台東区長(以下「区長」という。)が必要と認めて指定するもの
2 区長は、前項第3号の規定により施設を指定するときは、告示によりこれをしなければならない。
(意見聴取)
第3条 法第3条第4項の条例で定める者は、次のとおりとする。
(1) 施設が国の設置するものであるときは、当該施設の長
(2) 施設が地方公共団体の設置するものであるときは、当該施設を所管する地方公共団体の長又は教育委員会
(3) 施設が国及び地方公共団体以外の者の設置するものであるときは、当該施設を監督する行政庁、監督する行政庁がないときは当該施設の存する特別区の長
(宿泊者の衛生に必要な措置等の基準)
第4条 法第4条第2項に規定する条例で定める措置の基準は、次のとおりとする。
(1) 営業施設については、次の換気措置を講ずること。
イ 換気のために設けられた開口部は、常に開放しておくこと。
ロ 機械換気設備を有する場合は、十分な運転を行うこと。
ハ 客室内の空気中の炭酸ガスは、0.15パーセント以下とすること。
(2) 営業施設の採光及び照明は、次に掲げる照度を有するようにすること。
イ 客室、応接室及び食堂 40ルクス以上
ロ 調理場及び配ぜん室 50ルクス以上
ハ 廊下及び階段 常時20ルクス以上(深夜(午後11時から翌日の午前6時までの間をいう。)においては、10ルクス以上)
ニ 浴室、脱衣室、洗面所、便所等 20ルクス以上
(3) 営業施設については、次の防湿措置を講ずること。
イ 排水設備は、水流を常に良好にし、雨水及び汚水の排水に支障のないようにしておくこと。
ロ 客室の床が木造であるときは、床下の通風を常に良好にしておくこと。
(4) 客室、応接室、食堂、調理場、配ぜん室、玄関、浴室、脱衣室、洗面所、便所、廊下、階段等は、常に清潔にしておくこと。
(5) 寝具類については、次の措置を講ずること。
イ 布団及びまくらには、清潔なシーツ、布団カバー、まくらカバー等を用いること。
ロ シーツ、布団カバー、まくらカバー及び寝間着は、宿泊者ごとに交換し、洗濯すること。
ハ 布団及びまくらは、適当な方法により湿気を除くこと。
(6) 客室には、次に掲げる基準を超えて宿泊者を宿泊させないこと。
イ ホテル営業、旅館営業及び下宿営業 1客室の台東区規則(以下「規則」という。)で定めるところにより算定した有効部分の面積(以下「有効面積」という。)3平方メートルにつき1人
ロ 簡易宿所営業 有効面積1.5平方メートルにつき1人
(7) 客室にガス設備を設ける場合には、次の措置を講ずること。
イ 宿泊者の見やすい箇所に、元栓の開閉時刻及びガスの使用方法についての注意書を提示しておくこと。
ロ 元栓は、各客室の宿泊者の安全を確かめた後でなければ開放しないこと。
(8) 浴室については、次の措置を講ずること。
イ 湯栓及び水栓には、清浄な湯水を十分に供給すること。
ロ 浴槽は、1日1回以上換水し、清掃すること。
ハ 共同浴室にあっては、使用中は、浴槽を湯水で常に満たしておくこと。
ニ 温泉法(昭和23年法律第125号)第2条第1項に規定する温泉を貯留する貯湯槽(以下単に「貯湯槽」という。)を使用するときは、次の措置を講ずること。
(イ) 貯湯槽内部の汚れ等の状況については随時点検し、規則で定めるところにより、定期的に清掃及び消毒を行うこと。
(ロ) 貯湯槽内の湯を規則で定める温度以上に保つこと。
ただし、これにより難い場合には、塩素系薬剤により湯の消毒を行うこと。
ホ ろ過器等を使用して浴槽水を循環させるときは、次の措置を講ずること。
(イ) ろ過器は、規則で定めるところにより、定期的に逆洗浄等を行い、生物膜等ろ材に付着した汚れを除去するとともに、内部の消毒を行うこと。
(ロ) 浴槽水を循環させるための配管は、規則で定めるところにより、定期的に内部の消毒を行うこと。
(ハ) 集毛器は、規則で定めるところにより、定期的に清掃を行い、内部の毛髪、あか、ぬめり等を除去すること。
(ニ) 浴槽水は、塩素系薬剤により消毒を行い、遊離残留塩素濃度が1リットルにつき0.4ミリグラム以上になるように保つこと。ただし、これにより難い場合には、塩素系薬剤による消毒とその他の方法による消毒とを併用し、レジオネラ属菌が検出されない水質を維持すること。
(ホ) 浴槽水については、規則で定めるところにより、定期的に水質検査を行うこと。
へ ニ及びホの規定による清掃、消毒、検査等の実施状況を記録し、3年間保存すること。
(9) 洗面所には、清浄な湯水を十分に供給すること。
(10) 客室、脱衣室等に、くし、コップ等を備え付ける場合には、清潔なものとし、宿泊者ごとに取り替えること。
(11) 便所に備え付ける手ぬぐい等は、清潔なものとし、宿泊者ごとに取り替えること。
2 旅館業を営む者(以下「営業者」という。)は、前項各号に規定する宿泊者の衛生に必要な措置を適正に行うため、原則として営業施設ごとに、管理者を置かなければならない。ただし、営業者が自ら管理者となって管理する営業施設については、この限りでない。
(宿泊を拒むことができる事由)
第5条 法第5条第3号の条例で定める事由は、次のとおりとする。
(1) 宿泊しようとする者が、泥酔者等で、他の宿泊者に著しく迷惑を及ぼすおそれがあると認められるとき。
(2) 宿泊者が他の宿泊者に著しく迷惑を及ぼす言動をしたとき。
(営業者の遵守事項)
第6条 営業者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 客室の入口には、室番号又は室名を表示しておくこと。
(2) 客室には、定員を表示した案内書、表示板等を備え付けること。
(3) 玄関帳場及び客室には、宿泊料を表示した案内書、表示板等を備え付けること。
(4) 営業施設には、営業従事者名簿を備え付け、規則で定める事項を記載しておくこと。
(ホテル営業の施設の構造設備の基準)
第7条 旅館業法施行令(昭和32年政令第152号。以下「政令」という。)第1条第1項第11号に規定する条例で定めるホテル営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。
(1) 宿泊者の利用しやすい位置に、受付等の事務に適した広さを有する玄関帳場を設置すること。
(2) 宿泊定員及び利用形態に応じた十分な広さのロビー及び食堂を有すること。
(3) 調理場は、次の構造設備の基準によること。
イ 壁、板その他適当な物により、他の部屋等から区画されていること。
ロ 宿泊者に食事を供給するのに支障のない広さを有すること。
ハ 出入口、窓その他開閉する箇所には防虫設備を、排水口には防そ設備を設けること。
ニ 十分な能力の換気設備を有すること。
(4) 客室は、次の基準によること。
イ 1客室の規則で定める構造部分の合計床面積は、政令第1条第1項第2号イ又は第3号に規定する面積以上であること。
ロ 睡眠、休憩等の用に供する部屋は、窓からの採光が十分に得られる構造であること。
(5) 宿泊者を宿泊させるために十分な数量の寝具類を有すること。
(6) 寝具類の収納設備は、寝具類の数量に応じた十分な広さを有すること。
(7) 浴室は、次の基準によること。
イ 洋式浴室の浴槽は、利用者ごとに浴槽水を取り替えることができる構造設備であること。
ロ 共同用の浴室又はシャワー室を設ける場合には、宿泊定員、利用形態等を勘案し、十分な広さの脱衣室を付設すること。
ハ 和式浴室を設ける場合には、十分な数の上り湯栓及び水栓を有すること。
ニ ろ過器等を使用して浴槽水を循環させる場合には、次の構造設備の基準によること。
(イ) ろ過器は十分なろ過能力を有し、ろ過器の上流に集毛器が設置されていること。
(ロ) ろ過器のろ材は、十分な逆洗浄が行えるものであること。ただし、これにより難い場合には、ろ材の交換が適切に行える構造であること。
(ハ) 循環させた浴槽水を、打たせ湯、シャワー等に再利用しない構造であること。
(ニ) 浴槽からあふれた湯水を再利用しない構造であること。
(ホ) 入浴者の浴槽水の誤飲、飛まつの吸引等による事故を防止するための措置が講じられた構造であること。
(ヘ) 循環水取入口は、入浴者の吸込事故を防止するための措置が講じられた構造であること。
(8) 客室にガス設備を設ける場合には、次の基準によること。
イ 専用の元栓を有すること。
ロ ガス管は、耐食性を有し、ガスの供給が容易に中断されないものであり、かつ、 容易に取り外すことができないように接続されていること。
(9) 便所は、次の基準によること。
イ 各階に設置し、防虫及び防臭の設備並びに手洗設備を有すること。
ロ 便所を付設していない客室を有する階には、男子用と女子用とを区分した共同便所を設け、規則で定める宿泊定員に応じた数の便器を設置すること。
(10) 共同洗面所を設ける場合には、規則で定める数の給水栓を設置すること。
(旅館営業の施設の構造設備の基準)
第8条 政令第1条第2項第10号に規定する条例で定める旅館営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。ただし、第2号及び第3号の基準は、修学旅行等おおむね50人以上の団体を宿泊させる旅館営業の施設についてのみ適用する。
(1) 客室と他の客室、廊下等との境界は、壁、ふすま、板戸又はこれらに類する物を用いて区画すること。
(2) 調理場を設ける場合には、配ぜんに支障が生じないような十分な広さを有する配ぜん室を付設すること。
(3) 前号の配ぜん室には、食器戸棚及び高さ75センチメートル以上の配ぜん台を設けること。
2 前条第3号の規定は、旅館営業の施設に調理場を設ける場合に準用する。
3 前条第4号から第10号までの規定は、旅館営業の施設について準用する。この場合において、同条第4号イ中「政令第1条第1項第2号イ又は第3号」とあるのは「政令第1条第2項第2号又は第3号」と読み替えるものとする。
(簡易宿所営業の施設の構造設備の基準)
第9条 政令第1条第3項第7号に規定する条例で定める簡易宿所営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。
(1) 宿泊者の利用しやすい位置に、宿泊者の履物を保管する設備を設けること。
(2) 1客室の規則で定める構造部分の合計床面積は、3平方メートル以上であること。
(3) 客室の規則で定める構造部分の合計延べ床面積は、政令第1条第3項第1号に規定する面積以上であること。
(4) 階層式寝台を設ける場合は、2層とすること。
(5) 多数人で共用しない客室を設ける場合には、その客室の延べ床面積は、総客室の延べ床面積の2分の1未満とすること。
2 第7条第3号の規定は、簡易宿所営業の施設に調理場を設ける場合に準用する。
3 第7条第4号ロ及び第5号から第10号まで並びに前条第1項第1号の規定は、簡易宿所営業の施設について準用する。
(下宿営業の施設の構造設備の基準)
第10条 政令第1条第4項第5号に規定する条例で定める下宿営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。
(1) 1客室の規則で定める構造部分の合計床面積は、4.9平方メートル以上であること。
(2) 各客室には、押し入れを設けること。
2 第7条第3号の規定は、下宿営業の施設に調理場を設ける場合に準用する。
3 第7条第4号ロ及び第7号から第10号まで並びに第8条第1項第1号の規定は、下宿営業の施設について準用する。
(衛生措置基準の特例)
第11条 区長は、ホテル営業、旅館営業又は簡易宿所営業の施設のうち、季節的に利用されるものその他特別の事情があるものについては、規則で、第4条第1項第2号及び第6号に規定する基準に関し必要な特例を定めることができる。
(構造設備基準の適用除外)
第12条 旅館業法施行規則(昭和23年厚生省令第28号)第5条第1項の施設について、その構造設備が第8条及び第9条の基準による必要がない場合又はこれらの基準により難く、かつ、公衆衛生上支障がないと認める場合は、次の各号に掲げる営業について、それぞれ当該各号に掲げる基準を適用しないことができる。
(1) 旅館営業 第8条第1項第2号、同条第2項において準用する第7条第3号並びに第8条第3項において準用する第7条第5号、第6号、第7号ロ及びハ、第9号並びに第10号の基準
(2) 簡易宿所営業 第9条第1項第1号及び第5号、同条第2項において準用する第7条第3号並びに第9条第3項において準用する第7条第5号、第6号、第7号ロ及びハ、
第9号並びに第10号の基準
2 前項に定める場合のほか、旅館営業、簡易宿所営業又は下宿営業について、その構造設備が第8条第2項、第9条第2項及び第10条第2項において準用する第7条第3号並びに第8条第3項、第9条第3項及び第10条第3項において準用する第7条第9号及び第10号の基準による必要がない場合又はこれらの基準により難く、かつ、公衆衛生上支障がないと認める場合は、これらの基準を適用しないことができる。
(委任)
第13条 この条例に規定するもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
付 則
この条例は、平成24年4月1日から施行する。
旅館業法の施行に関し必要な事項を定める。