東京都台東区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例
第33号議案
平成29年6月5日
付託日:平成29年6月5日
付託委員会:環境・安全安心特別委員会
審査日:平成29年6月14日
議決日:平成29年6月28日
議決結果:原案可決(全員賛成)
第33号議案
東京都台東区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例
上記の議案を提出する。
平成29年6月5日
提出者 東京都台東区長 服 部 征 夫
(提案理由)
この案は、公共の場所における客引き行為等の防止に関し必要な事項を定めるため提出します。
東京都台東区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例
(目 的)
第1条 この条例は、公共の場所における客引き行為、勧誘行為及び客待ち(以下「客引き行為等」という。)を東京都台東区、区民、警察等が協力して防止することにより、快適で平穏な区民生活を保持し、安全で安心な地域社会の実現に資することを目的とする。
(定 義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 客引き行為 次に掲げる営業について、通行人等不特定の者の中から相手方を特定して客となるように誘う行為をいう。
イ 酒類を伴う飲食をさせる行為を提供する営業
ロ 個室を設けて当該個室において客に専用装置による伴奏音楽に合わせて歌唱を行わせる施設を提供する営業
ハ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。以下「法」という。)第2条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業
ニ 児童(18歳に達した日以後の最初の3月31日までの間にある者をいう。)に対して物品を販売する営業
(2) 勧誘行為 次に掲げる行為をいう。
イ 人の性的好奇心に応じて人に接する役務に従事するように勧誘すること。
ロ 専ら異性に対する接待(法第2条第3項に規定する接待をいう。)をして酒類を伴う飲食をさせる役務に従事するように勧誘すること。
ハ わいせつな行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ、又は刺激するものをビデオカメラその他の機器を用いて撮影するための被写体となるように勧誘すること。
(3) 客待ち 前2号に掲げる行為をする目的で、それらの行為の相手方となるべき者を待つことをいう。
(4) 区民等 区内に住所若しくは勤務先を有する者若しくは区内の学校に在学する者又は区内に滞在する者若しくは区内を通過する者をいう。
(5) 事業者 区内で事業活動を行う法人その他の団体及び個人をいう。
(6) 飲食店等を営む者 次に掲げる営業を行う者をいう。
イ 酒類を伴う飲食をさせる行為を提供する営業
ロ 個室を設けて当該個室において客に専用装置による伴奏音楽に合わせて歌唱を行わせる施設を提供する営業
ハ 法第2条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業
ニ 物品を販売する営業
(7) 公共の場所 道路、公園、広場その他不特定の者が通行し、又は利用する場所をいう。
(適用上の注意)
第3条 この条例の適用に当たっては、何人の権利をも不当に侵害しないように留意しなければならない。
(区の責務)
第4条 東京都台東区は、東京都、警察その他の関係行政機関及び地域団体(町会、商店会その他の地域活動を行う団体をいう。以下同じ。)と連携し、公共の場所における客引き行為等の防止に関する意識の啓発その他この条例の目的を達成するために必要な施策を推進するものとする。
(区民等及び事業者の責務)
第5条 区民等及び事業者は、東京都台東区が実施する前条の施策に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は、公共の場所における客引き行為等の防止に関し、従業員への指導、監督その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(客引き行為等防止特定地区における地域団体の責務)
第6条 第9条第1項に規定する特定地区を活動の範囲に含む地域団体は、巡回、啓発その他の客引き行為等を行わせないための取組を自主的に推進するよう努めるものとする。
(公共の場所における客引き行為等の禁止)
第7条 何人も、公共の場所において、客引き行為等をしてはならない。
2 何人も、金銭その他の財産上の利益を供与し、又はその供与を約束して、他人に公共の場所における客引き行為等をさせてはならない。
(客引き行為又は勧誘行為を用いた営業の禁止)
第8条 飲食店等を営む者は、公共の場所において客引き行為をした者又は当該行為に関係のある者から紹介を受けた者を、客として営業所内に立ち入らせてはならない。
2 事業者は、公共の場所において勧誘行為をした者又は当該行為に関係のある者から紹介を受けた者を、営業所等において当該行為の目的となる役務等に従事させてはならない。
(客引き行為等防止特定地区の指定等)
第9条 東京都台東区長(以下「区長」という。)は、公共の場所における客引き行為等を防止するため、特に必要があると認める区域を、客引き行為等防止特定地区(以下「特定地区」という。)として指定することができる。
2 区長は、特定地区を指定したときは、当該特定地区の区域その他必要があると認める事項を告示しなければならない。
3 区長は、必要があると認めるときは、その指定した特定地区の区域を変更し、又はその指定を解除することができる。
4 第2項の規定は、前項の規定による変更又は解除をした場合について準用する。
(指 導)
第10条 区長は、特定地区において、第7条又は第8条の規定に違反する行為をしていると認められる者に対し、当該行為を中止するよう必要な指導をするものとする。
2 区長は、前項の指導をするために、客引き行為等防止推進員及び客引き行為等防止指導員(以下「推進員等」という。)を置くことができる。
3 何人も、推進員等に対する威迫、つきまといその他推進員等に不安を覚えさせるような方法により、第1項の指導を妨害してはならない。
(警 告)
第11条 区長は、前条第1項の指導を受けた者が更に第7条又は第8条の規定に違反する行為をしていると認めるときは、その者に対し、当該行為を中止するよう警告をすることができる。
(勧 告)
第12条 区長は、前条の警告を受けた者が更に第7条又は第8条の規定に違反する行為をしていると認めるときは、その者に対し、当該行為を中止するよう勧告をすることができる。
(立入調査等)
第13条 区長は、第10条第1項、第11条及び前条に規定する措置を行うため必要があると認めるときは、区職員に、第7条又は第8条の規定に違反する行為をした者の事務所、営業所その他の場所に立ち入らせ、必要な事項を調査させ、又は関係者に対し、当該違反する行為をした者の氏名、住所その他必要な事項について質問させ、若しくは文書の提示その他の協力を求めさせることができる。
2 前項の規定による立入調査等をする区職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査等の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(公 表)
第14条 区長は、第12条の勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わなかったときは、当該勧告の内容その他台東区規則で定める事項を公表することができる。
2 区長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該公表に係る者にその理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。
(店舗場所の提供者への通知)
第15条 区長は、前条第1項の規定による公表をしたときは、当該公表に係る者にその営業その他の業務の用に供するための場所を提供する土地又は建物(その一部を含む。)の所有者又は管理者に対し、当該公表に係る事項を通知することができる。
(委 任)
第16条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、台東区規則で定める。
(過 料)
第17条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。
(1) 第12条の勧告を受けた後に、特定地区において第7条又は第8条の規定に違反する行為をした者
(2) 第13条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対し陳述せず、若しくは虚偽の陳述をした者
(両罰規定)
第18条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の規定による違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の過料を科する。
付 則
(施行期日)
1 この条例は、平成29年10月1日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。
(準備行為)
2 第9条の規定による特定地区の指定及びこれに関し必要な行為は、この条例の施行の日前においても、同条の規定の例により行うことができる。
公共の場所における客引き行為等の防止に関し必要な事項を定める。