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詳細情報

件名

台東区基本構想

番号

第52号議案

提出日

平成16年9月17日

委員会審査結果

付託委員会:企画総務
審査結果:原案可決(賛成多数)

本会議議決結果

議決日:平成16年10月26日
議決結果:原案可決(賛成多数)

議案本文

第52号議案
                 台東区基本構想

 上記の議案を提出する。
  平成16年9月17日
                      提出者 東京都台東区長  吉 住   弘
 (提案理由)
  この案は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第4項の規定に基づき、台東区基本構想を定めるため提出します。

                 台東区基本構想
 目次
  第1章 基本理念と将来像
  第2章 基本目標 −将来像の実現にむけて−
  第3章 区民の活動と区政の推進

第1章 基本理念と将来像
 第1項 基本理念
  下町文化の継承と発展
 生活文化や芸術など、継承されてきた多彩で粋な文化と豊かな文化資源を今に活かし、進取の気性をもって、さらに発展させて、新たなにぎわいを創出し、まちを活性化していきます。

  多様で快適なまちづくり
 地域の力と資源を活かし、さまざまな人々が主体的に協力して、地域ごとの個性を大切にした、うるおいのある美しいまちを創りだしていきます。

  信頼と支え合いの地域社会
 日常の生活を支える基盤整備を進め、また、地域での信頼と支え合いを活かし、力を合わせて、だれもが、いつまでも、心豊かに安心して暮らせ、次の世代を育んでいけるまちを築いていきます。

 第2項 将来像
  にぎわいと活力のまち
 台東区は、伝統、歴史、芸術などの豊かな文化を有しています。四季折々の多彩な祭りなどを通して、年間三千万人を超える来街者があります。また、多様な産業が数多く立地しており、個性ある地域や文化をかたちづくっています。これらを通じて、多くの人々が交流し、集うことで、文化が生活に息づく活気ある下町として栄えてきました。
 このような、多彩で粋な文化と伝統を、産業や地域社会のあり方に活かすとともに、さまざまな文化資源の価値を見つめなおし、まちの活気をさらに高めていきます。また、常に時代の先端を見据え、新しい時代の流れを取り入れて、世界に通じる魅力を創出し続けていきます。
 そして、多くの方々に訪れていただける、文化が息づくにぎわいと活力のあるまちをめざします。

いきいきとした個性あるまち
台東区は、それぞれのまちに個性があります。副都心として高い利便性をもつまち、受け継がれてきた歴史と伝統が生きているまち、伝統的な産業の活動が活発なまちなど、多彩な姿があります。都心でありながら上野の山や隅田川など、自然的環境に恵まれています。
 こうしたまちの個性や特徴を、それぞれの地域の力として大切にし、資源として活かしていきます。さまざまな人々の主体的な協力によって、まちづくりを進め、街並みを整えていきます。また、生活の安全や産業を支える基盤の整備を進め、ここで暮らし働く人々や、会社、商店などの活動の場として充実させていきます。
 そして、だれもが誇りをもって、いきいきと生活を楽しむことができる、個性ある快適な美しいまちをめざします。

  暮らしやすいまち
 台東区は、人々の地域に根ざした活動によって支えられてきました。地域の中で暮らし、学び育て、集う交流があり、それらが、まちの発展に活かされてきました。
 たとえば、地域の中で困ったことがあれば、皆で助け合い、子どもたちへの目配りも行ってきました。また、地域の中で産業のまとまりとつながりがあり、生活と仕事が融けあっているまちです。
 このように、さまざまな課題への対応に、人々の支え合いと交流、地域の力を活かしていきます。また、福祉、健康づくり、教育や子育てなどの日常の生活を支える各種サービスの基盤整備を進め、乳幼児から高齢者まで必要としている人に必要なサービスを提供し続けられるようにしていきます。
 そして、だれもが、いつまでも、心豊かに安心して生活し、これからの世代を大切に育んでいける、暮らしやすいまちをめざします。


第2章 基本目標 −将来像の実現にむけて−
 第1節 にぎわいと活力のまち
  第1項 産業の活性化
 台東区の産業は、業種の集積の多様さが特徴です。また、国際化の影響、就業者の高年齢化などが進展しています。
社会の動向は、産業構造の変化、就業形態の多様化などが進んでおり、そうした変化に応じた対策が求められています。
 こうした情勢のもと、台東区は、個々の会社や商店などの力を活かして、地域経済の活性化を図り、世代を超えた就業者の働く意欲を高めて、活力に満ちた元気なまちであり続けることをめざします。
 この基本目標を実現するために、企業の経営の革新を支援していきます。人材の育成や、地場産業をはじめとする各種の産業、商店街の活性化を図ります。そして、文化資源を活用するなど、文化の力を産業に活かしていきます。

  第2項 まちの魅力の創出
 台東区には、史跡、芸術、芸能などの豊富な文化資源や多彩な行事があり、国内外から多くの来街者を迎えてきた観光地があります。
 台東区は、この特徴を活かして、文化性豊かな国際観光都市として、魅力のより一層の向上をめざし、観光の振興を図っていきます。
 この基本目標を実現するために、的確にニーズをとらえ、多様な観光資源の一層の充実と来街者が回遊しやすい基盤づくりを進めます。国内外へ情報を発信するとともに、快適な環境整備を推進し、国際観光都市としての総合力を高めていきます。

第3項 文化が息づく豊かな生活の創出
 台東区では、史跡、芸術、芸能など、多彩で豊富な文化資源が集積し、現在に伝統や生活文化が息づいています。そして、文化と産業・観光が密接に関係しています。
 台東区は、この文化の力を活かして、快適で豊かな環境を創りだしていきます。
 この基本目標を実現するために、歴史、伝統、生活に根ざした文化を継承し発展させて、時代を先導する文化を創造し、国内外へ発信していきます。そして、文化と産業・観光の連携を推進し、両者の融合・一体化によって総合的な文化の力と経済力を育んでいきます。

第2節 いきいきとした個性あるまち
  第1項 個性を活かしたまちづくりの推進
   台東区では、地域ごとにまちの個性があり、それが重視されています。

 社会の動向は、快適性の向上や活性化を実現するため、住民や企業などの協働が求められており、また、地域の安全を高めることが要請されています。
 台東区は、住民や企業などの協働によるまちづくりを推進し、だれもが快適に安心して生活していくことができるまちをめざします。
 この基本目標を実現するために、都市機能の充実を図ります。地域ごとの個性を大切にした街並み・景観の整備、土地の有効な利用などを支援していきます。そして、地域の安全を高めていきます。

  第2項 うるおいのある生活環境づくり
 台東区では、上野公園、隅田川といった自然的環境や谷中などの寺社の緑を有しています。一方、廃棄物処理など身近な問題から地球環境の問題まで、さまざまな環境問題への関心が高まってきています。
 社会の動向は、持続可能な社会の構築、地球環境問題への取組みが急務となっています。
 台東区は、うるおいのある生活環境づくりを進めるとともに、だれもが意欲と関心をもって環境問題に取り組むことをめざします。
 この基本目標を実現するために、緑や水辺などの自然的環境を保全するとともに、一人ひとりが生活様式を見直し、住民と企業などが協働して、環境に配慮した社会づくりを行っていきます。

  第3項 学びと交流の仕組みづくり
 社会の動向は、人々の価値観や行動様式が多様化する中、生涯学習への意欲が高まっています。
 そのため、台東区では、すべての区民が生涯にわたって自ら学習し、心の豊かさや生きがいのある生活に取り組んでいく環境づくりをめざします。
 この基本目標を実現するために、生涯学習センターを核に、区民相互が学び合い、交流する仕組みづくりを進め、地域活動の活性化やまちづくりへの貢献が図られるようにしていきます。

第3節 暮らしやすいまち
  第1項 健康づくりと、自立生活を支える基盤づくり
 台東区では、すべての区民がそれぞれの状態に応じて健康を維持し、いきいきとした日常生活を送ることができるよう、健康施策を推進しています。
 社会の動向は、一人ひとりが健康づくりに取り組めるよう、社会全体として支援していくことが求められています。
 こうした動向のもと、台東区は、健康寿命を延ばし、だれもが生涯を通じて、心も体も、より健康で充実した生活を送られることをめざします。
 この基本目標を実現するために、サービス提供基盤を充実して、区民がそれぞれの健康な生活を維持できるようにします。また、区民の自主的な健康づくりを支援していきます。
 台東区では、地域社会での助け合いを基調とした協力関係が随所に見られます。
 社会の動向は、自己努力とともに社会全体で支え合い、だれもが必要に応じて必要なサービスを受けることができる介護保険制度などのさまざまな仕組みの整備が進んでいます。それを基盤として、地域の中で自分らしく、より自立的に生活できることが求められています。
 こうした動向のもと、台東区は、さまざまな人々が支え合いながら安心して自分らしい生活ができること、だれもが地域で快適・安全な生活を送ることをめざします。
 この基本目標を実現するために、サービス提供基盤の充実を図るとともに、地域での連携と協働を進め、生活しやすい環境を整備していきます。

第2項 次の世代の育成
 台東区では、家庭と地域が一体となって子育てへかかわる土壌があります。
 社会の動向は、少子化が進行する中、家庭や地域での子育てへの幅広い支援が求められています。また、家庭や地域の教育力のあり方が課題となっており、価値観の多様化など、子どもを取り巻く環境が急激に変化しています。
 台東区は、子ども一人ひとりを大切にした、子育てがしやすいまちをめざします。そして、子どもたちがこころざしを抱き、夢や希望をもち、21世紀を自らの力でたくましく生きることを可能とする教育をめざします。
 この基本目標を実現するために、子どもが健やかに成長していく環境を整備するとともに、地域のかかわりを促進し、多様なニーズに対応した子育て支援を行っていきます。また、確かな学力の向上や、豊かな心・健やかな体の育成を行います。そして、学校と家庭・地域との連携・協力を深め、家庭や地域の教育力をさらに高めていきます。

第3章 区民の活動と区政の推進
  第1項 パートナーシップの促進
 社会の動向は、地域のさまざまな課題について、理解の促進と、より効果的な解決のため、その地域に暮らし働く人々一人ひとりが参画していくことが求められています。
 台東区は、こうした動向のもと、多様なパートナーシップの形成を促進し、それを地域の資源として活かし、区民とともに地域の経営を行っていきます。
 この基本目標を実現するために、高齢者や若年者など異なる世代間の協力と、社会における男女の共同参画の拡大、地域団体やNPO、企業などと行政の協働の推進など、多様なパートナーシップを促進していきます。

  第2項 行政経営の推進
 社会の動向は、国と地方を通じた行財政制度全般の変革の中で、行政サービスに対する住民の満足度を重視する視点が求められています。
 そのため、台東区は、区民に対して、より効果的・効率的な行政サービスの提供が行える行政経営をめざします。
 この基本目標を実現するために、情報の公開や提供の充実など行政の透明性をさらに向上させるとともに、施策を評価し、それによって見直し、改善を図っていくなど、さまざまな行政経営の手法を充実していきます。

提案理由

台東区基本構想を策定する。

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