04-1 台東区立小中学校の給食費の完全無償化を求めることについての請願
受理日:令和4年11月15日
04-1
付託委員会:区民文教委員会
付託日:令和4年11月25日
審査日:令和4年12月14日
議決日:令和4年12月20日
議決結果:不採択(賛成多数)
秋間洋
伊藤延子
鈴木昇
堀越秀生
山口銀次郎
河井一晃
請願4−1(写)
台東区立小中学校の給食費の完全無償化を求めることについての請願
◎請願の理由:
現在、台東区内の全公立小中学校では、学校給食が実施され、子どもたちの成長、発達に大きな役割を果たしているといえます。けれどもこの給食費の保護者負担額は、小学校低学年が月4,600円、中学年が月5,000円、高学年が月5,400円、中学校は月5,900円となっており、決して安価なものとはいえません。とりわけ相次ぐ物価の高騰にもかかわらず、賃金が上昇しない昨今の社会情勢のなか、給食費への出費は、多くの世帯にとってますます厳しいものとなっています。
もちろん区には、給食費や学用品費等に対する就学援助制度があることは承知しています。けれどもこの制度には、厳しい所得制限があり、その利用者は小学生の18.9%、中学生の32.5%に過ぎません。この制度を利用できない世帯の多くも、経済的な余裕はなく、できれば援助が欲しいというのが現実ではないでしょうか。
本年10月より、児童手当の見直しが行われ、高所得者に対して、特例給付が廃止されることとなりました。子育て財源を奪い合い、分断を生むのはもちろんのこと、子どもを産み育てることをあきらめる世帯もあらわれるのではないかと危惧されます。すべての世帯に、所得で制限することなく給食費を完全無償化することは、子育て世帯の分断を和らげる効果も生むことでしょう。
さらには就学援助制度の対象となる世帯においても、制度を利用すること自体が後ろめたく、周りに知られるのではないかと、申請を躊躇するケースもあると聞きます。一律で給食費を無償化することは、このようなケースの世帯に向けて、手を差し伸べることにもなるかと思われます。
そもそも学校給食は、小学校および中学校の『学習指導要領』において、「学校行事等」とされ、教育の一環として位置づけられてきました。とりわけ2008年の改訂にともない、「食育の観点を踏まえた学校給食」云々と明記され、学校給食における食育の重要性が明確にされました。このような教育の一環である学校給食に対して、保護者に経済的負担を強いるのは、『日本国憲法』第26条に定める義務教育無償の原則に明らかに反するものだといえます。
なお近隣自治体の動向として、葛飾区では、2023年4月より区立小中学校の給食費を完全無償化し、保護者負担をゼロにすると発表しました。台東区もぜひこれに続くべきだと考えます。
◎請願の趣旨:
上記の「請願の理由」により、台東区内の公立小中学校の給食費を完全無償化することを強く要望します。
以上
令和4年11月15日
紹介議員 秋 間 洋
伊 藤 延 子
鈴 木 昇
堀 越 秀 生
山 口 銀次郎
河 井 一 晃
台東区議会議長
水 島 道 徳 殿