「ボートピア(競艇場外券売所)」設置反対についての陳情
受理日:平成15年6月6日
陳情15-100
付託委員会:企画総務
付託日:平成15年6月6日
審査日:平成15年6月20日
審査結果:採択(賛成多数)
議決日:平成15年6月25日
議決結果:採択(賛成多数)
陳情15−100(写)
「ボートピア(競艇場外券売所)」設置反対についての陳情
台東区浅草2丁目12番におけるボートピア(競艇場外券売所)設置計画について、当会から前議会に「建設反対の陳情」を提出しましたが、継続審議とされ、審議未了となりました。その後、浅草地域に某団体からリーフレットが配布され、「ボートピア」建設は浅草活性化の絶好のチャンスと、これができれば浅草の町が生まれ変わるかのような内容が目に飛び込んできます。この施設の誘致による人出や収益が確定していることのように描かれていますが、どこにその保障があるのでしょうか。私たちが一番心配しているのは、生活環境の問題です。日本の浅草、世界の浅草への新たなギャンブル施設です。24時間この地で生活する人たちの心情抜きでこの問題の結論は出せません。そもそも、年300日を越す営業日数となれば、子供の教育上の問題も抜きには考えられません。地域の子供たちだけでなく、ギャンブルに関心をもつ青少年たちへの影響も大事な問題となります。風紀上の問題、環境の問題に目を向けず、とにかく人が集まれば浅草が活性化され、活気づいて良くなるとする一面的な見方は浅草を本当に考えることにならないと思います。
この原点こそ、かつて浅草に競輪や公営競馬の場外券売所の進出をストップさせてきた先輩たちの精神です。年間数億円もの環境整備協力金が区に入れば、これをもとにしてまた新たな事業が望めるなどという発想こそ重大だと考えます。神戸にできているボートピアは、掃除も行き届いてきれいだといわれますが、商店や居住地が密集する地域での立地ではありません。「ボートピア浅草」は住む人のいる町のど真ん中に造る計画ではありませんか。環境問題もすべてクリアーできるだけの見返りがあるとはとても思えません。
これまで全国各地で起こったボートピア建設を見てみると、どこも共通しているのが「地域の活性化」がうたわれてすすめられてきたようですが、たとえば秋田県・河辺町などは当初の見込みが大きく外れ、売上がのびないで悩んでいると報道されているではありませんか。―方、新潟県黒崎町では、こうした心配が現実とならないようにと、町と地域のひとたちが真剣に論議し、「まちと人を守る」ことこそ最優先とした結果、ボートピアは誘致しないことを決めたとの報道もあります。バブルの頃に比べ、ギャンブルにつぎ込むお金が減ってきているという過日の朝日新聞の報道は何を意味するのでしょうか。
今年は、江戸開府400年の年です。すでにさまざまな企画が取り組まれ、テレビの連続ドラマでも古き良き浅草が舞台となっています。ギャンブル施設で賑わうのが今の浅草だとしたら、日本の浅草、世界の浅草はイメージダウン以外の何ものでもありません。誰もが楽しめる町、歴史と伝統の町、芸人と職人の町でなければなりません。いまこそ、こうした町づくりを真剣に考えるときではないでしょうか。ただ人が来れば賑わい、活気づくとする安易な発想でのギャンブル施設の建設には、引き続き反対です。浅草を愛するがゆえのこうした確固たる信念のもとにこの陳情を提出するものです。
〔陳情の趣旨〕
「ボートピア浅草(競艇場外券売所)」設置に反対すること
平成15年6月4日
台東区議会議長
堀 江 達 也 殿