区内道路の放置工作物等による通行阻害を、積極的な行政指導等により改善する事を求めることについての陳情
陳情06-14
付託委員会:産業建設委員会
審査日:令和6年12月11日
議決日:令和7年3月26日
議決結果:不採択(全員賛成)
陳情6−14(写)
区内道路の放置工作物等による通行阻害を、積極的な行政指導等により改善する事を求めることについての陳情
陳情趣旨
一般的に、道路使用の法規基準において、路上への放置工作物は認められないものですが、昨今、度を越した使用状況が区内の商業地域の道路上で顕著に確認が出来ます。
中折れ看板に始まり、スタンド型の重量のある看板、物置きやゴミ入れを工作物に用いて路上に設置したもの、商品展示用のワゴンや衣装かけ、さらには、テーブルやイスを用いて路上を一部の飲食店舗スペースとして流用するケースも発生しています。
こういった不法占拠状況は、浅草中心部、上野・御徒町、等で確認されます。
緊急車両の通行を妨げる恐れがあること。
また、基本的に、違法行為である点。
道路使用の社会法益の観点から、現況が不公正である点。
以上の事由をもって、台東区は早急な改善に取り組んで頂きたいと願うものです。
趣旨の経緯
道路法および道路交通法の関係法規の趣旨から、「道路へ無許可で私用の工作物を展開する事は認められていない」とされる点があります。
ただし、一般通念上、家宅へ車椅子で進入する場合は、スロープの板材が路上に出ていたり、車庫の前に傾斜ブロックやパイロンがあったり、側溝までの距離に植木鉢や自転車が置かれています。
本陳情として、こういったレベルの事象をとやかく言うつもりは、まったくありません。
問題点として「レベルの断層性」があり、度を越しているものは上部から改善していく必要性があるとするものです。判定は、区でやって頂きたい限りですが、概ね、
テーブル、イスを用いての飲食スペース
↓
ロッカーやゴミ入れの工作物
↓
ワゴンやラック等の商品什器
↓
看板(大型)
↓
看板(小型)
※看板は出し方にも因る
上記のような占有度合いの頻度はあるはずです。
また、道幅と占有域の関係もあるかと思います。
現場を確認して頂きたいですが、道路の中央部分近くまで出ているケースもあります。
趣旨の沿革
商業地域において、統制が取れていないと、我も我もで、使用状況がエスカレートする可能性があり、現状旧来から営業を続けている商店主の方が昨今の有り様に辟易するような事態が出ています。
それを事由として、台東区から地所を売り払ったという話しも聞きます。
路線部分への張り出しを遠慮する店舗は埋没し、公正な商業環境を目的とした地域の道路使用の適正は見られない状況です。
特に交叉路の出入り口付近を塞がれると、道路中央部の店舗は視界に入りにくくなります。台東区道路管理課および当該管轄区諸警察署の指導・要請に、すぐ応じる店舗と一向に応じない店舗とが存在し、不公正さが生じています。
また、応じない放置状態が常態化すると、今後よりいっそう改善は難しくなってしまう部分があります。
コロナが過度な時期には、台東区の行政措置として、令和5年3月までは道路使用の特別許可を更新提出書面を介して与えていた事実があります。
ただし、令和5年3月の最終期の6ヶ月で、コロナは一定の収束は十分にあったと考えられる訳で、何もコロナを機に道路使用の権限を永続的に与えた訳でもありません。放置し続けると、誤解を生じる点も出てきてしまいます。先立って道路法・道路交通法が基本法体系として存在するので、明らかに違法行為でしかありません。
例えば、浅草中心部には、こういった不法占拠の点で歴史が古く話しが拗れている煮込みストリート(ホッピー通り)があり、また、同地からほど近い場所に内閣府の許認可を得た国家戦略特区が存在しています。
浅草の詳しい足跡を知らない方が浅草で開業するとなると、いろいろ誤解を生むケースもあります。普段から行政からのきっちりしたアナウンスがないと道路を使えるもんだと錯覚させる点もあります。
一部の商店街および町会運営者が、勝手に「道のどこそこまでは出張っていい」「ここではこういうルールになっている」などの言及で新規参入の商店へ案内があったという話しもあり、こういった誤解の改善も必要課題です。
令和6年11月5日
台東区議会議長
森 喜美子 殿