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陳情 審査結果一覧

詳細情報

件名

良好な生活環境をつくるまちづくりについての陳情

受理年月日

受理日:平成15年6月6日

受理番号

陳情15-92 

付託委員会

付託委員会:定住・まちづくり
付託日:平成15年6月6日
審査日:平成15年6月13日
審査結果:趣旨採択(全員賛成)

本会議議決結果

議決日:平成15年6月25日
議決結果:趣旨採択(全員賛成)

内容

陳情15−92(写)

  良好な生活環境をつくるまちづくりについての陳情

(陳情趣旨)
 貴職におかれましては、日頃より台東区民の福利向上並びに台東区発展のためにご尽力を賜り、ご活躍されておりますことに心から敬意を表します。
 台東区は長年に亘り人口の減少が続き15万人口を割るのではないかと懸念されてきましたが、昨今は区内の至る所にマンションが乱立し、人口も微増傾向になってきました。吉住区長は、18万人の台東区を標榜されておりますが、今後もマンションの乱立に一層拍車がかかるのではないかと危惧いたしております。
 江戸川区では人口増政策から反対にマンションの開発規制をするなど、行政都市の枠組みの中で、一定の社会規模や生活環境を創り上げようとする動きが見られます。また、荒川区や千代田区などは、建築紛争を抑えようと大規模開発には地元住民との調整の機会を3ヶ月前に前倒ししています。これからの地方の産業・教育・福祉・文化・環境・住民生活には、トータルなまちづくりの中で歴史や文化を生かした特徴ある地域らしさを地方主権の政治の中からつくりあげていく時代と強く認識しております。
 台東区はいままで作成してきたまちづくり方針をはじめ、産業や教育、環境や福祉など、夫々の分野のビジョンにも、地域の歴史や文化を背景にした台東区らしさを創出しようと示されております。そこで、夫々のビジョンを実現する政策が求められ続けている中で、良好な生活環境を形成するには、総合的なまちづくり政策の整備が急務であります。特にマンション建設には、長年の間、区内各所の計画地域で多くの反対運動が起こり、議会にも陳情が多く提出されましたが、基本的に民間対民間の問題として、その結果が出るまで様子を見る継続審議や時には不採択となってきました。台東区の姿を全国、世界に見せるまちづくりに関わる重要な要素のマンション建設などの開発に対して、身近な区政が民民の問題として片付けてしまわずに、まちづくりは地域(民間)も行政も議会も、地域らしさをつくりあげる上で研究と議論が必要で、そこから開発の規制や促進といった方法が見つかるのではないでしょうか。
 マンションや一般住宅に限らず、公共施設の建設や民間の商業施設や福祉施設、文化施設などと夫々の生活のすべてがまちづくりに関わることだと感じます。景観まちづくり条例も制定されましたが、内容の精査と地域性を細かく配慮しないと、新しい開発行為に対しての基準が見えてきません。台東区には夫々の地域に、他に例を見ない特有の歴史と文化の中で育まれてきたまちと区民生活の生業があります。それは、祭りであったり、冠婚葬祭であったり、ご近所付き合いであったり、お節介であったり、面倒をみたりみられたりでまちが生きているのです。
 私たちのまちも、みんなで江戸城内の鎮火の守護神として祭られた歴史ある秋葉神社に、初詣をしたり火伏せの神事を楽しんだり、秋葉神社は日頃からまちの大事なコミュニティの場となり文化の場ともなっております。今、秋葉神社に大きく暗い影を落す南側隣接地に13階建てのマンションが建てられようとしています。80パーセントの建ぺい率を最大に活用すれば10階建て程度に階下げの検討も可能と思われますが、開発業者は建築基準法に則り、許可手続きが完了していることを理由に建設を開始しようとしています。まちづくりに直接かかわる開発許可手続きが、台東区から離れて民間業者委託しているという制度にも驚きました。台東区の明日の姿をつくるまちづくりには、行政は特に新しい開発にはしっかりと目を配り、地域性の歴史文化や生業やコミュニティの特徴を増長させる役割を地域と共に担うべきであると強く感じます。
 そこで台東区議会にも、まちづくりに関わる新しい開発に対する規制と促進に向けて、それぞれの地域でコンセンサスが形成できる「まちづくり条例」の制定を目指した研究を、一日も早く進めていただけることを要望すると共に、下記3点の項目について陳情いたします。
(陳情項目)
1.台東区の歴史文化や生業の魅力をまちづくりの中で増長できるよう「景観まちづくり条例」を生かした地区ごとのガイドライン(具体的な協定)の制定を、機運の高い地区から取り組んでいただきたい。
2.新しい住宅等の開発については、開発業者側の住民説明会を、話し合いの成果が出る構想段階や基本計画段階で設けるよう、紛争予防条例を改正していただきたい。
3.行政は、新たなマンションの住民が、地域の町会やコミュニティ活動に積極的に参加協力できる体制がつくれるよう事前の指導をしていただきたい。
                                   以 上

  平成15年6月3日

 台東区議会議長
     堀 江 達 也 殿

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