公園や商業地域にドライミストの導入を求めることについての陳情
受理日:平成30年9月28日
陳情30-15
付託委員会:環境・安全安心特別委員会
付託日:平成30年11月26日
審査日:平成30年12月5日
議決結果:審議未了
陳情30−15(写)
公園や商業地域にドライミストの導入を求めることについての陳情
陳情の背景
平成30年4月30日から9月16日までの東京都における熱中症で救急搬送された患者は、前年比のおよそ2.4倍の7,812人(東京消防庁HPより引用)であった。都でもそれを解消するために打ち水などを提唱しているが、それに対する正しい方法が実施されておらず、顕著な効果があげられない状態にある。そこで、都内でも実績のあるドライミストを公園や商業地域に導入することでその緩和が期待できると考え陳情した。
ドライミストについて
ドライミストは、水を微細な霧の状態にして噴射し、蒸発する際の気化熱を利用して主に地上の局所を冷却する装置でありその効果は、周囲の温度を2〜3度下げることができる。この装置のエネルギー消費量は、家庭用エアコンの約1/2である。さらにこの装置から発せられる水の粒子は16μmと小さいため肌や服を濡らさず素早く蒸発し、その散布密度は、クスノキ林の蒸散量(1平方メートルあたり7.5mL/分)と同じである。さらに東京都の補助金を活用してドライミストを導入した施設には、有楽町駅、戸越銀座商店街、雷門東部商店会、秋葉原クロスフィールド、六本木ヒルズ、新丸ビル、東京スカイツリー、上野動物園、下谷神社などがある。
ドライミストの稼働および問題点
ドライミストの効果を最大限発揮させるためには、日差しの強くない早朝や日没もしくは、樹木や建物により常時日陰になる公園や商業施設である。そのためドライミスト装置を設置する場所の選定が重要である。さらにドライミスト設置箇所を広域にすることで風が発生し冷たい空気が街を循環するため熱帯夜による寝不足の緩和が期待される。しかしこの装置は、街灯の高さにノズルを設置する必要があり、窓を開閉する頻度が高い住宅街には不向きである。さらに十分な高さが確保できない場合は地面に水が溜まることで蚊の発生を誘発するためそれによる感染症の流行に注意が必要となる。
以上より、公園および商業地域にドライミストの導入を求めることを陳情する。
平成30年9月28日
台東区議会議長
河 野 純之佐 殿