教育環境に配慮し良好な住宅を誘導する街づくりについての陳情
受理日:平成25年9月12日
陳情25-22
付託委員会:産業建設委員会
付託日:平成25年9月12日
審査日:平成25年10月1日
議決日:平成26年3月26日
議決結果:取り下げ許可(全員賛成)
陳情25−22(写)
教育環境に配慮し良好な住宅を誘導する街づくりについての陳情
●陳情の理由
経済活動の高度化により、生活や居住スタイルが多様化し、街づくりに影響をもたらしています。とりわけ台東区はじめ東京都心は、事業所・住居ともに交通等の利便性の向上に加え、建築・再開発などの手法の規制緩和もあり、狭あいな土地に中高層の建築物が建てられています。なかでもワンルームマンションは、手軽な投資手段として建設の勢いが止まりません。
ワンルームマンションは居住・事業の流動化に柔軟に対応できる面は確かにありますが、所有者が居住せず、地域コミュニティや近隣の生活環境に与えるマイナスの影響は大きく、社会問題にも発展しています。
次代の地域を担う子供達が学ぶ学校に隣接する土地に建設される中高層のワンルームマンション建築は、教室や校庭の日照をさえぎることはもとより、子どものプライバシーを脅かし教育環境に弊害をもたらす建物となり、学校関係者や近隣住民の不安は大きくなるばかりです。
このほど、浅草小学校の南隣地での13階建ての高さ約39mのワンルームマンション建設で、その不安が爆発しました。「子どもの教育環境を守ってほしい」と、区議会に4,400人を超える署名が寄せられ、趣旨採択となりました。
学校関係者及び地域住民側と建築主の間の建物内容についての紛議は、5月8日、区長の調停を尊重することでひとまず和解しました。
その内容は@ワンルームの戸数を2つ減らす。A教室とプールに最も近い2階〜5階をファミリー主体のフロアにする。B学校側に面した建物のすべての窓を型ガラスにする。というものです。
学校関係者及び近隣住民の子供達の教育現場でのプライバシーと教育環境を守ることを守ろうとしたことに対する大きな不安の解消となる解決は見えない結果となりました。
この問題に対して、学校関係者及び地域住民側の当事者の方々より聞き及ぶところでは、調停委員会での調停委員の先生方のご意見を受けとめると、現在の台東区の「集合住宅の建築及び管理に関する条例」では教育環境を保全する文言がないことから、建築主側の譲歩の度合いによる結論となってしまうようです。
浅草小の今回の問題を、どう教訓にするかというところを関係者で協議した結果、台東区の次代を担う子供達が学ぶ学校でのプライバシーや教育環境を守るため早々に下記の陳情項目について取り組まれますことをお願いし、陳情することといたしました。
●陳情項目
1.小中学校の近隣地における住宅建設については、「台東区集合住宅の建築及び管理に関する条例」などで教育環境を守れる規制項目を追加する条例改正などに取り組んでいただきたい。
2.またワンルームマンション問題には、「台東区集合住宅の建築及び管理に関する条例」で、現在の住戸専用面積の最低の25u以上や家族向け住戸の40u以上という基準を高くすることや、総戸数15戸以上の住宅建設の際の総戸数の中での家族向け住戸の構成比率の基準を高くすることの見直しなどを検討していただきたい。
以上
平成25年9月6日
台東区議会議長
和 泉 浩 司 殿