「( 仮称) 谷中防災・コミュニティ施設整備実施設計」における 住民説明会開催についての陳情
受理日:平成24年9月14日
陳情24-25
付託委員会:区民文教委員会
付託日:平成24年9月14日
審査日:平成24年10月4日
議決日:平成24年10月25日
議決結果:取り下げ許可(全員賛成)
陳情24−25
「(仮称)谷中防災・コミュニティ施設整備実施設計」における住民説明会開催についての陳情
(1)経過の概要
従来より「(仮称)谷中防災・コミュニティ施設整備基本計画」の検討が、(仮称)谷中防災・コミュニティ施設整備検討委員会等における行政と地元の方々との地道なご尽力等により進められ、平成23年3月9日には、この計画が議会にて承認されました。
ところが、その直後の平成23年3月11日に、東日本大震災という未曽有の大災害が発生し、これまでの災害対策の知見に対する抜本的な見直しが必要となりました。このことは、「(仮称)谷中防災・コミュニティ施設整備基本計画」の内容についても例外ではなく、震災発生時直後から被災地入りをしていた多数の方々によって、被災現場で新たに得られた重要な知見を計画に取り入れるべきではないか、との意見が出されました。
こうした背景から私たちは、地域住民有志による「谷中防災コミュニティセンターを考える有志の会」を結成し、平成23年5月24日、台東区議会に「谷中コミュニティセンターの改築に関する陳情」を提出して、この基本計画を被災現場の現状に照らし合わせて再検討することなどを求めました。またその再検討の際には、大震災を受けて防災意識の高まった地域住民に対し、改めての説明と意見聴取とを行ってほしい旨を付け加えました。
この陳情は、平成23年6月台東区議会にて趣旨採択されました。区議会から後押しをいただいた形の中で、私たちは地元谷中において基本計画に関する検討会やワークショップを集中的に開催し、延べ200人を超える地域住民の意見を集約して、平成23年9月29日、「谷中コミュニティセンター改築における基本設計にむけての住民による提案」を区に対し提出するに至りました。
その後、平成23年12月18日には、私たちの陳情内容も取り入れられる形で、台東区による基本設計についての住民説明会が谷中コミュニティセンターにて開催され、地域住民等70人ほどが集まりました。かつて区が基本計画の説明会を開催したときには10人ほどしか参加者がいなかった点を鑑みると、当該事業への住民の関心の高まりを強く感じさせるものでした。
こうした経過の後、平成23年12月議会にて承認がなされた「(仮称)谷中防災・コミュニティ施設整備基本設計」は、住民による提案が多々反映された先進事例的なものとなりました。
(2)地域住民説明会開催についての要望
基本設計決定に至る上記の過程は、(仮称)作業部会(デザインシャレット)を通じた専門家と地域住民の意見を基本とし、加えて「谷中防災コミュニティセンターを考える有志の会」による提案書も一部参考とされる等、行政と住民の協働が推進し、先進的な事例が構築されつつあることを強く感じさせるものでした。現在、計画は基本設計をふまえての実施設計が始まる段階ですが、私たちはこの計画の進捗過程と並行して、地域住民の防災意識のさらなる自発的な発展向上を目指していきたいと思います。
そこで私たちは、今このタイミングにおいて、基本設計の決定事項や実施設計の過程についての住民説明会開催を改めて要望いたします。
既に述べた通り、今回の基本設計では、(仮称)作業部会で地域住民意見を踏まえただけでなく、設計途中段階で住民説明会を開き、広く住民意見を聴取し、その一部を設計に反映させた等の画期的な面が多々見られます。しかし、残念なことに、基本設計の決定内容についての幅広い説明がいまだ不十分であり、せっかくの成果がありながらも一般の地域住民への周知徹底がなされていないと感じます。この状況は、計画の進行と相まって高まりつつある地域住民の防災意識をそぐことにも繋がりかねないと危惧するところです。実施設計が始まった現在を節目に説明会を設けることで、危急の課題となった大災害対策についての行政と一般住民の緊張感を維持し、行政、住民の相互理解を基礎とした協働の流れの定着を図ることができるのではないかと考えます。
住民の日常的な使い勝手や被災時の対応について、これに直接に関係する実施設計の過程においてこそ、幅広く一般の地域住民に設計内容を周知徹底し、住民の意見を改めて直接聴取して再確認する必要もあると思われます。説明会にて現れた合理的な意見に関しては、実施設計段階で対応可能なものに限り、出来る限り反映させて頂ければと希望いたします。
(以上)
平成24年9月12日
台東区議会議長
青 柳 雅 之 殿