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陳情 審査結果一覧

詳細情報

件名

割賦販売法の抜本的改正を求める意見書を政府等に提出することを求めることについての陳情

受理年月日

受理日:平成19年9月14日

受理番号

陳情19-19 

付託委員会

付託委員会:産業建設
付託日:平成19年9月14日
審査日:平成19年10月1日
審査結果:採択(全員賛成)

本会議議決結果

議決日:平成19年10月31日
議決結果:採択(全員賛成)

内容

陳情19−19(写)
   割賦販売法の抜本的改正を求める意見書を政府等に提出することを求めることについての陳情
第1 件名
 割賦販売法の抜本的改正を求める意見書を政府等に提出することを求める件
第2 陳情の趣旨(要旨)
 議会が、国会及び経済産業省に対し、クレジット契約を利用した悪質商法被害・過剰与信被害を防止するため、割賦販売法を以下のとおり抜本的に改正するよう求める意見書を提出することを採択していただくよう陳情致します。
                    記
1〔過剰与信規制の具体化〕
 クレジット会社が、顧客の支払能力を超えるクレジット契約を提供しないように、具体的な与信基準を伴う実効性ある規制を行うこと。
2〔不適正与信防止義務と既払金返還責任〕
 クレジット会社には、悪質販売行為等にクレジット契約を提供しないように、加盟店を調査する義務だけでなく、販売契約が無効・取消・解除となるときは、既払金の返還義務を含むクレジット会社の民事共同責任を規定すること。
3〔割賦払い要件と政令指定商品制の廃止〕
 1〜2回払いのクレジット契約を適用対象に含め、政令指定商品制を廃止することにより、原則としてすべてのクレジット契約を適用対象とすること。
4〔登録制の導入〕
 個品方式のクレジット事業者(契約書型クレジット)について、登録制を設け、契約書面交付義務及びクーリング・オフ制度を規定すること。
第3 陳情の理由
1 クレジット制度の構造的危険
 クレジット契約は、商品販売と代金回収が分離されるので、悪質な販売業者は購入者の支払能力を考慮することなく高額商品を販売し、さらにクレジット会社から立替金をすぐに受領するため、強引な販売方法で契約させ代金取得後は誠実な対応を怠ります。特に個品方式(契約書型)クレジット契約では、クレジット会社は、顧客獲得や支払条件の交渉、契約書類作成等営業活動の大半を提携先加盟店に委託し効率的に利益をあげています。加盟店管理や与信を厳しくすると加盟店が離れて減収に繋がることから、クレジット会社は、加盟店の不適正な販売行為の審査を怠りがちです。つまりクレジット契約を利用するが故に悪質な販売行為を誘発し、深刻な消費者被害が発生し易く、クレジット契約の構造的欠陥から生じるクレジット被害(アポイントメントセールスや、詐欺的なマルチ商法・内職商法被害、呉服・リフォーム等の次々販売被害)を多発させています。
2 割賦販売法の抜本的改正の方向性
 上記の深刻なクレジット被害を防止するため、経済産業省の産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会は、本年2月からクレジット被害の防止と取引適正化に向けて割賦販売法改正に関する審議を進めています。秋には改正の方向性が示され、来春の通常国会に改正案が提出される予定で、今が極めて重要な時期であります。
 クレジット被害防止と取引適正化を実現するためには、クレジット会社自身がクレジット契約の構造的危険性を防止する責任を負い、発生した損害を負担する法制度を整備することが重要です。これによって、初めて消費者に安心・安全なクレジット契約が提供されることになります。
3 割賦販売法改正の主な課題
(1)過剰与信規制
 現行割賦販売法38条は、購入者の支払能力を超える与信を行わないよう努めなければならない旨の訓示規定に過ぎず、結局はクレジット会社の自由裁量で過剰与信が繰り返されてきました。そこで、消費者の収入と既存債務額に照らして、一定の基準を超える契約については、返済財源や購入動機等の個別的調査義務を課すなど、実効性ある過剰与信防止規定を設けるべきです。
(2)不適正与信防止義務と既払金返還責任
 現在はクレジット会社に提携先加盟店の販売方法を確認する義務はなく、また商品販売契約が解除・取消・無効となる場合でも、クレジット会社に消費者へ既払金を返還する義務もありません。そこで、クレジット会社は不適正与信を防止する義務を負うこと及び販売契約が無効等であるときは既払金の返還義務を含むクレジット会社と加盟店の民事共同責任を規定すべきです。
(3)割賦払い要件及び政令指定商品制の廃止
 現行法の規制対象は支払回数や取引対象品目による制約があります。そのため、悪質販売業者の中には、半年・1年後の一括払いを勧める・取引対象品目以外の商品を販売するなど、法の網を逃れる被害事例が多発しています。そこで、抜け道を塞ぐために、原則として全てのクレジット契約を規制対象にすべきです。
(4)個品方式のクレジット事業者の規制
 個品方式のクレジット事業には、登録制度も契約書面交付義務もないため、不適正な取引を規制する実効性が確保できません。そこで、個品方式クレジット事業者について登録制を設け、契約書面交付義務及びクーリング・オフ制度を規定すべきです。
4 結び
 以上の理由により、クレジット取引における消費者の安心・安全を確保する観点から、貴議会に陳情致します。
添付書類
・割賦販売法の抜本的改正に関する意見書(案)
  平成19年9月4日
台東区議会議長
  木 下 悦 希 殿

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