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陳情15-108 住民軽視・住民無視のマンション建設を抑制する手だてについての陳情

受理年月日 平成15年6月19日 受理番号 陳情15-108
委員会付託日 平成15年9月19日 付託委員会 産業建設
委員会審査日 平成15年10月1日
議決年月日 平成15年10月24日 議決結果 趣旨採択
賛成多数
陳情15-108
  住民軽視・住民無視のマンション建設を抑制する手だてについての陳情

陳情15−108(写)

  住民軽視・住民無視のマンション建設を抑制する手だてについての陳情

 現在、台東区内、特に大通り沿いはマンションの建設ラッシュで町並みがすっかり変わりつつある。それに伴い、ここ数年、谷中地区一帯で多くのマンション紛争が起きている。この地区は、大通りを一歩中に入ると閑静な住宅街が広がるが、そこへ開発会社が突然土足で上がりこもうとすると一気に紛争になるのである。
 最近のマンション紛争で著名なものが谷中に二件ある。一つは、Lマンションで、さんざんもめた末に画期的和解をしたケース。その成功を開発会社が宣伝に使ったほどの事例である。もう一つは、Hマンションで、大通り沿いの歩道に黄色い旗がたなびく大紛争になってマスコミに大きく取り上げられたケースである。しかし結局住民側は破れてしまった。
 つまり成功例と失敗例の両方がこの地区にある。成功とは住民側が勝ったという意味ではなく、開発会社と地域住民の双方が納得した結論を出せたという意味での成功例である。失敗とは、双方にしこりを残して終わった後味の悪い例という意味である。
 ここで分かるのは、街づくりへの寄与を努力する開発会社は住民と和解し、住民から逃げようとするところは禍根を残すような結果を招くということだ。

 いずれにせよ、住民の消耗は激しく、このような事態では、台東区の長期構想が謳う「区民主体のまちづくり」を推進することは難しい。行政の関与が必要である。

 そこで、街づくりに関し、マンション紛争等を未然に防ぐような一歩踏み込んだ条例や対策等を、他区に先駆けて「東京の老舗」である台東区が行うことは意義深いことである。

 ついては、次のような条例や対策を推進いただきたい。
(1) 住民向け説明会を開催しないような住民軽視・住民無視の態度でもめているマンション紛争案件について、定期的に区議会に対して区役所が報告を行うことを義務づけることをしていただきたい。つまり、どのような業者のどのような案件があり、住民とどのような紛争を起こしているのか、あるいは起こしつつあるのか、それに対し行政がどのように対応しているのか、レポートするのである。このような対策によって、例えば住民説明会を開催しない業者名を区議会において挙げるだけで、住民軽視に対する抑止力になるはずである。
(2)  「説明会を開く・開かない」で膠着状態になった折、「東京都台東区中高層建築物の建設に関する紛争の予防と調整に関する条例」に基づき紛争調整を区役所にお願いしても、「第二条の紛争の定義によると、これは紛争ではない。まだ紛争になっていないから受理はできない」と受理していただけない。しかし、これは第三条(区長の責務)「区長は、紛争を未然に防止するように務めるとともに、…」とある条文の精神に沿っている行政行為とは思えない。本来、例えば警察は「事件が起きてから捜査を始める」のではなく「事件・事故を未然に防ぐこと」を重視しなければならないのと同様に、住民の関わる紛争、しかも区内で頻発している類の紛争に関して、行政は「未然に防ぐ」ことを重視しなければならないはずである。そこで、「全体住民説明会」の要望があった場合は、開催を義務づけるように条例化する等、適切な条例の整備を推進していただきたい。
(3) 「理念なき開発」を防ぐ意味で、マンション業者には、街づくりに関し、「該当マンションが街づくりにどのように寄与するか」等を提出させ、審議を必要とすることを条例化していただきたい。

ぜひ議会において、上記を積極的に推進すると共に、その他マンション紛争を未然に防ぐ手だてをご審議いただきたい。

  平成15年6月19日

 台東区議会議長
     堀 江 達 也 殿